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秋田へ引っ越ししました。秋田市仁別にてスタジオ“nesta”整備中。 陶芸家田村一の日常、夢想、備忘録などなど.文章を書くのが苦手な作者のための練習帳.


by tebokehandmade

pass the baton

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最近手に入れた器です。




まずは生形由香ちゃんの洋皿。薬の流れっぷりがかっこいい。アーティチョークみたい。真ん中には鳳凰が舞ってるらしい。埋まっちゃってるけど。いい皿。レギュラー決定


でもうひとつが及川静香くんの片口。彼の作品は結構持ってて、片口だけでこれが3つ目。どんだけコレクターかと。でも今回の刷毛目はすごくいい。個人的には哲平さん超え。昨晩はこの子でしっぽり。


なんにしても、これだけ作れる若手が出てきたのがすごく嬉しい。上から目線で申し訳ないけど、ここ5年くらいで益子の若手の実力が確実に上がったように見える。このふたりも含めて、みんななかなか楽しい器を作ってる。

これを新しい基層低音にしていけたら益子の将来は安泰。


気付くとうちで使ってる器、レギュラークラスはほぼ若手だ。特に食器。酒関係の器は作家年齢いきなり上がるけど。まぁそりゃ仕方ない。



伝統を守ることは、必ずしもその土地の材料を使ったり技法を継承することだけじゃない。アンシャンレジームはいつか革命で倒される日が来る。
革新がなければ、伝統は続いていかない。

益子だって濱田以前と以後でどれだけ変化したことか。濱田は益子に革命をもたらしたイノベーター。でもそれ以後ひたすら濱田スタイルのリミックスに耽溺してたのが今までの益子レジーム。イノベーターがいつの間にか伝統の名の下に固定化される。

それはそれで素晴らしい作品を生み出したんだろうけど、同時に厚い殻を作ってきたのも事実。



はじめて益子に来たとき感じたのはこの“殻”の厚み。ここに少しでも穴をあけようと9年間、この土地に居たのかもしれない。



今愛でてる器は、益子に根差した新しい血になる。この器を見ててそう確信した。濱田だって見たら、そう思うだろう。メガネの奥でにやにや。
益子の芯は、やはりいい“器”を作る土地柄ということなんだろう。

自分は糠釉も柿釉かかってない彼らの作る作品から、なんともいえない“益子”を感じるのです。



旧態依然とした変な網に引っ掻かんないですごく自由に作ってる器。てかそんな網の存在なんかにゃ気付いてるけど、そこを相対化できるタフさ。年輩者がなかなかできなかったこと。これが若さ?



いいぞ。いいぞ。





いやぁ、きっとこれから益子よくなる。だからもっと自信持とう。いろんなヒト達に見てもらいに行こう。
新しい時代の萌芽を感じてこの土地を去ることはすごく幸せ。思い残すことはないや。





なんか益子へのスワンソングになってる?








hajimeeeee
by tebokehandmade | 2011-02-16 13:35